To Parents

[PTA]馬術班

2022/10/17

 7月末、雨上がりセミの声がにぎやかな、四方緑に囲まれた中で取材をしました。
 練習場「琵琶湖乗馬倶楽部」は、逢坂の関を通り過ぎ、住宅街の突き当りにあります。班員たちは京阪大谷駅で下車し毎回俱楽部の方が送迎してくださるそうです。
 馬術班は、昭和25年創班で3年生6名、2年生3名、1年生4名の計13名と9頭の馬が所属しています。
入班の動機は人様々です。動物好きはやはり多く、中には獣医師を志す班員もいます。過去の運動経験や身体能力の影響はほぼなく、新しい出会いを求めて、文化部系から転身も大歓迎だそうです。
 活動日は、月曜日・火曜日以外の5日間で、水曜日~金曜日は、放課後1時間30分~2時間30分です。水曜日・金曜日及び大会前はコーチに指導を受け、土曜日・日曜日は午前から2~3人の担当制で倶楽部のお手伝いをし、午後には全員集合します。
 練習で実際に騎乗するのは30分ですが、この騎乗したときにだけ内股を鍛えられるとのことで、他の運動班のような基礎体力作りは特にしていないそうです。しかしながら、日々の倶楽部のお手伝いの一つとして、馬のご飯用に30㎏のヘイキューブ(干草を固めたもの)を持ち上げる作業があります。これにより、いつの間にか肩・腕に筋力が付き、手綱の引きが強くなっているそうです。騎乗後は、一連の流れで馬の手入れをし、えさやりをします。
 練習では毎日違う馬に騎乗します。これは、高校生の大会は馬を運ぶことはほぼなく、会場近くの乗馬倶楽部から提供され、前日か当日に2回他者試走を目で見て、コーチとともに馬の癖を話し合い、本番となるためです。これにより、度胸も養われるそうです。
 馬にも人と同じように個々の性格があり、馬に思わず「誰?」と言ってしまったこともあるそうです。穏やかな馬・気性の荒い馬など馬の個性を話す姿が何とも愛おしそうでした。
 倶楽部のお手伝いの一つに、丸太をチェンソーで切断することもあります。これは、冬のストーブに薪を使用するためです。それ以外にも壊れた道具の修理、いわゆるDIYをすることも多いそうです。毎日火起こしをしているので、バーベキュ―ではきっと引っ張りだこになるでしょう。「いつ何時外に放り出されても生きていく術を自然に身に付けられる」と班長が言っていたのが印象的でした。
 同時に馬に乗って練習できるのは4名以内で、その他の班員は馬屋2蔵の掃除などに従事しています。きびきびと動き回る班員たちがすごく格好いいと感じました。
 倶楽部以外で班員や馬を見る機会がコロナ禍以前はあったそうです。山王祭や大津祭です。大津祭では神主が騎乗した神馬「ロングバビロン」の手綱を引く班員の姿を、再び目にできることを心待ちにしています。
 近年は、班員減少が課題となっている様です。馬術と聞けば、なかなか高貴な世界だと思われがちですが、活動で揃える物はそれほど多くなく、在籍中買い替えることもありません。ユニフォームなども班共有のものも多いそうです。
 取材日は3年生が引退する日で、1年生・2年生に最後の指導をしていました。指導後は3年生が練習。3年生の騎乗姿は素人目でもわかるほど堂々とした美しさでした。
 他の運動班では経験できないことが盛りだくさんで、社会に順応していく能力が自然に身に付く、班員の将来がとても楽しみです。

保護者の方へ To Parents

ページ先頭へ
メニュー

滋賀県立膳所高等学校