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[PTA]第62回滋賀県人権教育研究大会参加報告

2019/3/19

平成30年11月17日(土)~18日(日)の2日間、49年振りの滋賀県での第70回全国人権・同和教育研究大会に重ねて第62回滋賀県人権教育研究大会が開催されました。大津市の滋賀県立体育館をメイン会場に全体会が、県内21の会場で分散会が開かれ、全国から多くの参加者が集いました。
全体会では、「淡海から つながる ひろげる ヒューマンネット」と題した地元テーマが発表され、色鮮やかな民族衣装のチマチョゴリに身を包んだ朝鮮初級学校の子供達による可愛い朝鮮舞踊と歌の披露に続き、和太鼓衆「当為」による迫力ある和太鼓の演奏のオープニングで、歓迎ムードを盛り上げました。引き続き、大会主催者である(社)全国人権教育研究協議会代表理事、実行委員会実行委員長、滋賀県教育長、文部科学省児童生徒課長、滋賀県知事挨拶の後、「大会宣言」が読み上げられました。
地元特別報告では、「差別をなくすために私たちのできること」~これからの部落差別問題を考える~と題して、部落解放呉竹地域子どもを守り育てる会の西村真子様、NPO法人あおぞらの小森央士様、彦根市立旭森小学校教員の今村力様によるパネルディスカッションがありました。次世代に差別を残さないと、始めに動く者“始動者”として活動されている西村様と、「部落」という言葉を普通に話す職場にいるうちに、部落について考えることが日常の一部になった小森様。そして今村様は、肩に力を入れて生きている後輩達に対して、「もっと楽に生きればいい」という思いから、「あおぞら」で活動をされています。
「どうすれば差別はなくなるのか?」のテーマについては、「自分たちの課題であることを認識させる。大人一人ひとりが今の世の中を見つめ直す。薄っぺらい上辺だけで『差別はだめ』と言っても伝わらない。自分はどう思っているか、確たるものを持つ」などの意見が出ました。若い方たちが熱く語り合う姿に胸が熱くなりました。今なお差別に苦しむ人がいるという現実を知り、「私たち親世代は何ができるだろうか」と深く考えさせられました。

午後は大津市民会館にて、特別分科会「進路保障を考える~滋賀県進路保障推進協議会40年の歩み~-人が変わる・組織が変わる・社会が変わる-」と題したパネルディスカッションがありました。まず、コーディネーターの元高校教員の田中政明様が、進路保障推進協議会(略して進保協)の歩みを紹介されました。“進保協”とは、高校生の進路に対する就職差別・不公平採用を解消するために、行政、教育、企業関係者等が参加して1977年に設立された滋賀県にしかない組織とのことです。
パネラーは、高校側から愛知高等学校教員の天谷昇道様、企業側からは元東レ(株)社員の奥井徳栄様、進保協側からは甲養護学校教員の野原直樹様の御三方が、各々の立場でお話をされました。
高校生の就職試験については、「採用試験に高校名も出身地も名前も必要ない。本人のありのままを受け入れる姿勢が大事」「いい人材を採用するには、学校と企業の信頼関係を築くことが大切」などの意見が出ました。
2日目は、午前は分散会に参加して県外の取り組みについて学び、午後は特別分科会第4講「近江と朝鮮通信使~ユネスコ世界記憶遺産登録をめぐって~」と題した、京都造形芸術大学客員教授の仲尾宏様の講演を聴きました。滋賀県には、儒学者 雨森芳洲(1668~1755)ゆかりの地があり、高月町の東アジア交流ハウス“雨森芳洲庵”では、毎年韓国から多くの青少年を迎えているそうです。芳洲は学者として対馬藩に仕え、中国語・朝鮮語堪能により朝鮮との接触交渉に活躍し、朝鮮通信使の江戸往復に二度随行したとのことです。朝鮮通信使の一行は近江の地に入り、野洲から鳥居本までの約40キロは、中山道を外れて別の街道を通過しました。この街道である“朝鮮人街道”とは、蔑視感もって言っているのではなく、一行に琵琶湖を眺めてもらうための「平和と友好の道」として、地元の熱意で造られた道であったとも言われているそうです。芳洲は、「互いの文化や風俗嗜好の違いを認識してつきあう」「誠信の交わりとは、互いに欺かず、争わず、真実を以て交わること」と唱え、これは人権思想の根幹に通じ、現代でいう「多文化共生」の思想を18世紀半ばにおいて先取りしていたとのことです。

2日間にわたり、人権について深く学ばせていただきました。今年度の全国大会においては、県外の熱心な取り組みについて知ることもできました。また、ヘイトスピーチ・部落差別・障害者差別・性的マイノリティなどの様々な差別があることを認識し、“生きづらさ”を感じている若者たちに対して、私は何が出来るだろうかと考えさせられた研修会でした。

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