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[PTA]吹奏楽班

2021/10/8

夏真っ盛りの7月の終わりに吹奏楽班の取材に行ってきました。吹奏楽コンクール地区大会を突破し県大会に向けて練習に励んでいる時期でした。3年生31名、2年生27名、1年生19名、総勢77名という最も大人数の班です。

新型コロナウイルスの影響でかなりの制約を受けており、この2年間は合宿をすることが出来ませんでした。昨年の3年生にとっては最後のコンクールも開催されませんでした。

発表の場があることで気づきがあり成長する、この流れが例年通りにはいかない中、班が掲げた目標は吹奏楽コンクール関西大会での金賞です。

県を代表して選ばれること自体が難しい大会での、とても大きな目標です。難しい目標ならばそれなりの努力をしないと達成できません。しかしそのことを1人1人がしっかりと自覚していることは、この日の練習を見てとてもよくわかりました。

訪問してまず顧問の先生にお話を伺いました。活動量が多いことで有名な班ですが、練習日程や目標などはすべて班員自らが決めているそうです。班の活動をまとめる班長と副班長、音楽面を指導する幹部、学生指揮者が中心となりこの大きな集団を引っ張っています。

先生が班員に求めることは「自分で考える」ことです。本番では誰も助けてくれません。だからこそ様々な場面で自分で解決する力を身につけて欲しい、その思いから言いたいこともぐっとこらえて指導をされているそうです。

自分で考えて何とかする、それは練習風景を見ても感じ取れました。取材日はパート毎に別々の教室に別れての練習でした。各教室では個人個人がチューナーで音程やピッチを確認しながら練習していました。その眼差しは真剣そのものです。今まで何度か吹奏楽班の発表を観る機会がありましたが、そこでは元気で弾けるような楽しい演奏を披露していました。しかし本番の前にはこうやって、ひたむきに自分の音に向き合う長い長い練習をしているのだな、とつくづく感心しました。

クラリネットでは数人が円になり音の重なりを確認していました。トランペットやフルートでは先輩が後輩へマンツーマンの指導をしていました。ユーフォニアムでは聴いた音の感想をぶつけ合っていました。管楽器の他に弦楽器もあり2人の班員がコントラバスを弾いていました。また音楽室ではパーカッションが輪になってミーティングをしていましたが、私たちがお邪魔すると急いで各自の様々な打楽器の持ち場に戻って練習風景を見せてくれました。吹奏楽班にはこんなにも多種多様な楽器があることに驚きました。

班長にも話を聞きましたがとても謙虚に「みんながしっかりと意識して取り組んでくれているので、それに助けられています」と話していました。しかし顧問の先生曰く、今年の班長はまさにTHE班長で、先生よりも班長に言われた方が班員はよっぽどしっかりと動く、とのことでした。この辺りにも自分で考えて動く班員とそれを厳しくも優しく見守る先生とのハーモニーのようなものを感じました。

吹奏楽は意思のある1人1人が個性を磨いて、その個性が集まって1つのパートとなり、幾つものパートが重なり合って力を合わせて演奏をします。「どんな人に聴いてもらっても、パッと惹きつけることが出来る演奏がしたいです」と班長は言っていました。今回の取材では、大きな目標に向かって全員が努力しているその姿にとても感動しました。

そしてその姿から昭和34年創班という歴史ある班において、先輩から後輩へと受け継がれてきた伝統の重みを感じました。

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