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『美術館はいかにして人、そして社会と関わるか』滋賀県立美術館 保坂健二朗氏講演会[芸術Ⅱ授業]

2023/10/22

 芸術Ⅱ授業(2年生文系3クラス)で、音楽・書道・美術の三科合同の‘特別授業’として、滋賀県立美術館ディレクター(館長)保坂健二朗さんによる講演会『美術館はいかにして人、そして社会と関わるか』を行いました。

 2021年にリニューアルされ、「公園のリビングルーム」として“CALL”[Creation(創造)、Ask(問いかけ)、Local(地域)、Learning(学び)]をミッションに掲げる美術館が、今どのような考えと工夫で運営されているかを学びました。子どもの頃の美術館での楽しい体験が大人になって再訪することにつながるという調査結果から、大人も子どもも気軽で自由な見方や楽しみ方ができる様々な取り組みがなされています。 滋賀県立美術館はアール・ブリュット作品も収集しています。従来の美術館で行われてきたような、美術史に則り収集したものを来館者に伝えることに留まらず、多様なアートに触れ、鑑賞者が自らとの関りやその価値を見出していく場への転換は、インクルーシブ社会の在り方にも通じるのでしょう。
 
美術館、美術、文化芸術に私たちが如何に接し、社会をどう見ていくのかを考える機会になりました。

 

質疑応答

謝辞

[生徒の感想]

・私の家は滋賀県立美術館の近くですが、小学校の校外学習で行ったきりでした。小さい頃に感じた‘行きにくさ’を今も持っていました。しかし、今日のお話を聞いて、身近にアートに触れることや楽しんでアートを見ることを大切にしていたので、行きたくなりました。

・来館者が面白そうだと思って見に来たいと思う心は必ずしも一致しないので、美術館が様々な工夫をしていることがわかった。

・美術の授業で聞いた言葉がたびたびでてきて、関連させて話を聞くことができた。作品を見る時に、細かくて深い解説を聞くのは、鑑賞のハードルを上げる行為にもなってしまうことに共感した。受動的に説明を受けるほど、自身だけでの解釈がゆがんでいくと感じた。

・対話型鑑賞のような「否定しない」スタイルは確かに大切だが、やはり意見を1つにまとめたりっしなければならない場面はあり、そのとき重要になるのは何だろうと思った。

・授業を受ける前は、美術館はつまならないところ、堅苦しいという印象がありました。しかし、飲食OKのゾーンを設けたり、様々な椅子を作って客の気分に合わせれるよう工夫していると聞いて、その印象が和らいだ。また、企業連携で入場料をタダにする日を設けることで、親子連れを増やす、その子供を新たなお客さんとしてキープするという戦略は巧みだなと思った。

・美術館というと昔描かれた絵を展示するというイメージがあったが、滋賀県立美術館がアール・ブリュットを収集されているように、美術館から新たに生まれる流行というのもあるかもしれないと思った。

・美術館は厳格な場所で一枚壁を感じていたが、お話を聞いてもう少し身近で、美術と気軽に接しても良いと考えました。色々な「見方」を追求していくことで、美術の楽しさや奥深さを経験できるので、美術館に行くことで、その練習をしてみたいと思いました。自分の中で美術の価値観が大きく変わる機会になりました。

 

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