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『美術を学んで何になる…デザイン思考からアート思考へ』(美術Ⅰ校外連携授業)

2023/12/2

 1年生の美術Ⅰの授業では、京都芸術大学アートプロデュース学科伊達隆洋先生をお迎えして『アート思考~対話による鑑賞~』の講義を行いました。


 「美術を学んで何になる」という問いかけに、「美術とアートは別物です」「アートは作品と鑑賞者の間に起きるコミュニケーションです」…今まで聞いたことのないフレーズが生徒の考察を促します。講義は、ロジカル思考→デザイン思考→アート思考、モノ中心→コト中心→意味・価値が中心となった社会の変化、社会課題を解決するための思考(「デザイン思考」)の展開へと続きました。‘そういえば、こんなシーンあったよな’…日常に、様々な課題が潜んでいます。
    さらに、アーティストが表現制作のために問題そのものを提起すること(「アート思考」)、自分と向き合い、世界と向き合うとき、問いやズレが生じる…これが「アートになる」のです。
    AIによる革新、VUCAの時代を生きる私たちにとって、アートがどのような役割を果たすのか、社会と如何に関わるのか、これまでの美術、アートへの見方が変わったのではないでしょうか。

 

 

【生徒の感想】

・アートは作品ではなく、アートはモノとヒトとの間に生まれるコミュニケーションということが衝撃的でした。美術を学ぶことと、社会で生きていくうえで必要な力は密接に関係していることが分かり、とても興味深かったです。

・モノとコミュニケーションするという考え方が面白いと思った。コミュニケーションすることで、よりよいモノが作られるということを体験した。そこで解決するためにも発想し、創出するデザイン思考が活用できると思った

・アートは美術としての価値だけでなく、社会での生き方や考え方としての価値もあることがわかりました。美術との関わり方は作ることだけではないということがとても印象に残りました。関わりのある仕事にはどのようなものがあるのか、もっと知りたいです。

・「デザイン」という言葉を聞くと、モノの見栄えをよくすることだと考えがちですが、それは方法であって、本来「デザイン」とは問題解決の技術であるということが印象的でした。今後は科学技術やAIが発展しますが、自分で問題を提起し答えを探究できるようになることが大切だと感じました。

・現代社会において重要視されているアート思考は、自分や世界と向き合って自分で問題を提起することができる発想のことであり、その問題を提起できる力が「意味を考える力」になると学びました。これまで「アート」を芸術そのもの、または作品のことだと思っていたので、作品の‘意味や価値’がアートであるということを聞いて新しい視点が持てた気がします。意味を考える力というのは普段から必要な力だと思うので、身につけていきたいです。

・AIにはできない「深く考えること」や「疑問を持つこと」を大切にしたいと思いました。

・今まで自分が考えていた美術、アートというものが変った。今日、美術があるのは、人々がずっと昔から作品に意味や価値を見いだしたからで、誰もが知っているような作品も大切に守られてきたのだから、そういう行動がアートと言われるのにも納得できた。

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