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[PTA]第66回滋賀県人権教育研究大会報告

2023/1/10

 令和4年10月22日、八日市文化芸術会館にて、第66回滋賀県人権教育研究大会(東近江大会)が開催されました。3年ぶりに教育関係者や保護者らが集う形で開催されましたが、コロナ禍で人数制限があったため、膳所高PTAは後日配信された動画を視聴する形で参加しました。
 今回の現地大会テーマは「人権文化の花を咲かせよう ~気づき、つながり、共育ち~」。
 最初に、現地メッセージとして、東近江市を中心に活動されている音楽ユニット「わ音」の皆さんによる素敵な歌と演奏、八日市高校書道部の「笑顔」をテーマとした書道パフォーマンスなど、盛りだくさんのプログラムが披露され、誰もが自分事として日常の中にある人権に気づき、ふれあいやつながりを通して共に育つことの大切さを考えることができました。
 印象的だったのは、東近江市ならではの大凧づくりを通じた取り組みです。小学生や高校生の皆さんが地域の方から指導を受け、オリジナルの大凧をつくり、揚げるまでが映像で紹介されました。地域の伝統を守り、引き継いでいくこと、それぞれが得意なことを活かしながら協力して一つのものをつくり上げること、共に喜び、悩み、そしてあきらめずに挑戦することなど、子どもたちにとってかけがえのない体験ができ、まさに「共育ち」を実践する取り組みだと感じました。
 続いて、社会福祉法人蒲生野会プリズムの西村俊さんによる、特別報告「『しづらさ』のさきに~エクレレで共に作り、共に感じ~」がありました。障害者作業所でもある洋菓子店「エクレレ」で、障害のある方とともに働くなかで経験し、感じられたことを、様々な事例を通して紹介してくださいました。例えば、細かいゴミが気になってしまって作業中にゴミを触ってしまうメンバーには、「衛生面からダメ」と言うのではなく、掃除の時間をつくってゴミ拾いをしてもらうなど、違う視点や発想をもって接しているとのことでした。障害の特性を「個性」や「強み」と捉え、それをどう活かすか、というお話は、障害の有無に関わらず、子どもをもつ親として大変参考になるものでした。
 最後に、「部落差別の現在 ~学ぶことで見えてくるもの~」と題して、関西大学社会学部の内田龍史教授の記念講演がありました。差別とは、遠ざけ、見下し、仲間はずれによって社会の多数派が利益を得る行為であり、それを容認する社会の仕組みです。誰もがスマホやタブレットからネット情報にアクセスできる今、部落に対するマイナスイメージや誤った情報が拡散されていることが大きな課題であるとのことでした。差別する意図はなくても、地名を検索するだけで様々な情報を目にする中、現実を確かめることなく本当かどうか分からない情報を信じてしまうことの恐さを改めて認識しました。
 私たち保護者も差別や人権について正しい知識をきちんと学び、差別に対して「おかしい」と思える感覚を常に磨いていくことが大切だと思います。今回の人権教育研究大会への参加も大変貴重な学びの場となりました。参加の機会をいただき、ありがとうございました。

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