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[PTA]班活動にお邪魔します-ボート班-

2016/9/16

 取材に訪れたのは、瀬田川沿いの琵琶湖漕艇場での合宿初日でした。盛夏にありながら気持ちのよい風が首筋をなでていく昼下がりでした。ちょうど班員たちがボートを川におろし、銀色に光る水面に一艇、二艇と船底が溶け込んでいくところでした。
2016_pta_boat01 オールに手をかけ、ゆっくりと漕ぎ出す姿をしばらく眺めていたら、自然と「気持ちよさそうだなあ」と、口を突いて出てしまいました。しかし、ボート競技は想像している以上に過酷なスポーツであることをあとで知ることになります。
 試合では1000mまたは2000mの直線コースでタイムを競い合うそうです。例えば1000mを男子舵手付きクォドルプルの場合だと、3分10秒台で争うそうです。一度スタートを切ったら、止まることができません。自分の背よりも長いオールを操り、水や風の抵抗を乗り越えて進んでいくのです。そこでは、腕や脚だけでなく、腹、背中、腰と全身を使います。
また舵手の指示のもと呼吸と動きを合わせ、水にオールをとられないように細心の注意も要求されるそうです。そのため筋力をつけるだけでなく、技術を磨くためのトレーニングも欠かせないと聞きました。
 そのひとつとして、普段の練習では乗船しているところをビデオ撮影し、「技術を上達させるために何が必要か」をみんなでディスカッションするそうです。体だけでなく知とチームが一体になってこそ、好成績へと繋がることを知りました。
2016_pta_boat02 「ボートを漕いでいるとき、何を考えていますか」の問いに、キャプテンの西村君は、「何も考えません。考えられません」と、答えてくれました。漕ぐことに全神経を集中させている姿が浮かんできます。日頃の厳しいトレーニングで培った力と技と集中力があってこそ言えることばであり、班員たちのボートにかける真っすぐな気持ちがそこに込められていると思いました。
現在、ボート班は総勢57名です。そして今年創部118年を迎えました。欧米では大変人気のあるボート競技ですが、日本では馴染みの薄かった中にあって、膳所高校ボート班は歴史と伝統を守り続けてきました。そこにはボート競技の醍醐味である、自然と一体となり水面を進んでいく喜びや、滑るようにゴールしたときの達成感を先輩から後輩へと大切にバトンタッチしてきた誇りも感じ取れました。
 最後になりましたが、7月28日から8月1日まで島根県で開かれるインターハイに男女それぞれ舵手付きクォドルプルに出場します。男子は昨年に続いて、そして女子は初めての出場となります。

取材日 7月20日

追記
インターハイでは男女ともに健闘しましたが、決勝には進めませんでした。
しかし、全国の強豪校と戦った経験は、今後の班活動や高校生活に大きな自信を残してくれたのではないでしょうか。

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