2024/11/18
2024/11/5
2024/9/3
6月下旬、ヨット班が活動している柳ヶ崎ヨットハーバーにお邪魔しました。
ヨット班は、3年生6人、2年生10人、1年生6人の班員で活動しています。高校生のヨット競技としては、420級(2人乗り)とILCA6級(1人乗り)があり、膳所高ヨット班も男女2種目で練習しています。未経験者がほとんどですが、高校入学後のヨット試乗会で、ほかでは経験できない魅力に惹かれて入班を決める人が多いそうです。最初は、聞きなれない部品の名前から、ヨットを帆走させるための知識や競技のルールまで覚えることがたくさんあります。初めてヨットに触れる班員達に、先輩達が知識を伝えていきます。普段の練習では、琵琶湖で基本動作の練習をしながらヨットを帆走させています。微風から強風まで様々な風でヨットを操れるように、あらゆる天気の中で練習をしています。試合前には、レース形式でスタート練習やブイを周回する練習もしています。
班員に話を聞きました。風や波といった自然の力をダイレクトに感じることができ爽快な気分になれるが、風が強い時にはヨットが転覆することや、小雪の舞う冬の寒い日の練習ではグローブが凍ることもあるそうです。優雅なイメージを持っていましたが、実は、かなりハードなスポーツであることがわかりました。
顧問の先生にも話をお聞きしました。ひとたび水上に出たら、ヨットに乗っている生徒自身で判断していかなければなりません。普段から自分たちで考え、ヨットの整備や準備から、先生、コーチが乗り込むボートのチェックまで各自責任をもって行う、基本、生徒主体で動くチームだ、とのことです。
取材当日は、あいにくの雨でした。雨に濡れながらも、自分たちで船体を艇庫から出し、ヨットを組み立てていました。6メートルあるマストを2人がかりで立てていく様子は圧巻でした。真剣な表情でセールを見上げ、出艇前のチェックを行っていました。船内はロープや滑車が複雑についており、また間近に見るヨットは想像より大きく、これを湖の上で高校生が自分たちだけで操縦するのかと思うと驚かされました。
ヨットの魅力について尋ねると班長が教えてくれました。「ヨットが風の力だけで進む原理を理解し、風を肌で感じ、実際に帆走させることが楽しい。またレースでは、いいスタートを切るためにヨットを自在に動かし、スタート後は相手より有利な風を掴むための戦略を考え駆け引きすることが面白い。レースは時間も長く過酷な時もあるが、勝てた時は嬉しい」とのことでした。体力、筋力等のフィジカルな要素だけではないヨットの奥深さを感じました。「8月開催のインターハイ、9月開催の国スポ等、高校生活最後の大会で、自分の納得できるレースをして入賞したい」と熱く語ってくれました。
日焼けした頼もしい表情で真剣にヨットに向き合う若きセーラーたちを応援したいと思います。