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美術授業『文化財を知り、考える』

2023/3/20

 美術Ⅰ(1年生)では『文化財を知り、考える』、全5回の授業を行っています。校外の関係機関と連携し、身近にある文化財の現状を知り自分達との関わりや今後の活用を考えます。先日、その最終回として「社寺」と「仏像」の活用方法をBUZZセッションで提案して、全体で共有しました。
 一連の授業では、実在の文化財に触れ、関わる人から直にお話しを聞きました。普段見ていた世界の見え方がすこし変わる、そんなきっかけになったようです。本校の立地や様々なご縁もあり、貴重な学びの機会となっています。この授業にご協力くださいました皆様に、お礼申しあげます。

【授業内容(全5時間)

①フィールドワーク[本校周辺。粟津頓宮遺跡(本校敷地内)→清徳院(平安時代の阿弥陀如来仏)→膳所神社(膳所城遺構)→馬杉湖魚店(滋賀の食文化)](講師:県文化財保護課)

②講話「文化財保護法と滋賀県の文化財」(講師:琵琶湖文化館)

 班別討議(各クラス2班に分かれ「仏像」「社寺」をテーマとして考える)

③講話・鑑賞「テクノロジーと伝統」

 長寿寺蔵の地蔵曼荼羅(室町時代の実物作品を修復)の鑑賞。

陶板による立体再現レプリカ(大塚オーミ陶業制作)に触れて考察。

④個人活動(自己の班のテーマについて個人提案作成→Formsで集約)

⑤班別活動(班メンバーの提案を検討し、各班の提案としてまとめる)

 全体共有(BUZZセッション:自班の提案を他班のメンバーに提示し、その結果を共有)

【協力(敬称略、授業回順)

滋賀県立琵琶湖文化館、滋賀県文化財保護課、清徳院、膳所神社、馬杉湖魚店、長寿寺、大塚オーミ陶業株式会社

 

 

【生徒の感想】

・学校の周り、いつも見ている景色の中にある文化財を見るのは新鮮でした。

・印象に残ったのは、文化財保護のためにたくさんのひとが関わっていて、その保護のためにたくさんの工夫が行われていることです。知ることからはじめ、伝えることもできたらいいなと思います。

・文化財の現状を知り、考えていくうちに身近なことと捉えるようになりました。視覚に障がいを持つ人も文化財を感じられるように、触れるレプリカを作るという考えは特に印象に残っており、工夫次第で様々な問題を乗り越えられるとわかりました。

・文化財に関わる人たちだけが保護、活用を目指すのではなく、文化財のある現代を生きる私たちが自分の目で、現地で、文化財を見て、感じて、触れていきたい。私たちだからこそ新しい視点で文化財の魅力を見出し、受け継がなければならないと感じた。

・文化財の歴史だけでなく、現在の人々の取り組みを知るなかで、自分たちはその大きな流れの中にいると感じた。地域で生まれ、育まれ、継承されてきた文化に触れることで、地元愛が強まった。

・文化財は思っているより身近にあって、それぞれの魅力があるにも関わらず、それを上手く活用しきれていない現状を感じた。それぞれの班でいい案がないか頭を悩ませて考えても、他の班の人達に提案を発表していく中で、課題が次々と出てきた。みんなで意見を出しあって何かを提案していくということは、とても有意義なものだなと感じた。

・グローバル化や、バリアフリーなど多くの問題の解決を探る視点を手に入れるために、美術という学問があるのだと感じた。

・授業全体を通して、文化財についてだけでなく、社会に必要とされる「アート」とは何なのかを少し掴むことができたように感じました。

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