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お茶会を開きました~美術「茶道」の授業~

2024/3/11

茶釜から立ち上る湯気、お茶を点てる茶筅の音…

冬の日、自然光だけではすこし薄暗い茶室。
目が慣れてくると温かで、
豊かな空間がありました。

美術の授業で一年を通して学ぶ「茶道」、
その活動のまとめとして「お茶会」を開きました。


1年生の「茶道入門」は基礎編、2年生では発展版として「千利休」がテーマです。

茶道の歴史や思想を学び、お茶碗をデザインし陶芸家の指導で制作(1年生は乳白色、2年生は黒楽の茶碗)、お茶会用のお菓子(主菓子:おもがし)のデザインを考えます。
1年生は、お互いの茶碗に銘をつけあう活動をしました(銘は箱書きに用います)。2年生は主菓子の製作体験も行いました。

お茶会では最初に、生徒のデザインの中から京菓子司末富さんに作ってもらったお菓子を披露します。
(主菓子は個別パックで持ち帰ります。京菓子司末富さんには2013年からこの授業にご協力頂いています。これまで90種を越える生徒デザインのお菓子作ってもらいました)

その後、「濃茶」のお点前を拝見します。亭主と正客の問答が印象的です。1年生は自作の茶碗に点て出しでお茶を頂きます。2年生はさらに自らがお茶を点てます。伝統菓子「洲浜」と自作の茶碗で頂いた抹茶の味は、どうだったでしょうか。

上の階のHR教室では、普段の授業が行われています。この部屋だけが、時間が流れる速さが違っているようです。
茶室の水屋では今年も多くの方々に、お茶会をサポートして頂きました。

一座建立…ここに集うすべての人が、このひと時を作ります。

お互いに感謝しあい、お茶会を閉じました。

この一連の授業とお茶会にご協力頂きました皆様に、心よりお礼申し上げます。


【1年生のお茶会の様子】

 

【2年生のお茶会の様子】

【生徒の感想より】

・初めて濃茶の正式な点て方を拝見し、それぞれの洗練された動作に見入った。自然光のみの空間で、静けさのなかで、ひとつひとつの音に集中し、シーンとした中でお湯をついだり、茶筅でお茶を点てたりする音が美しく聞こえた。

・元々、茶道についてはほぼ知識がなかったけれど、お茶会という体験を通して、茶道はたくさんの気遣いによって成り立っていて、日本で長年積み上げられてきた文化だということが分かったような気がする。実際に目で見て体験することはその場の雰囲気だったり細かな工夫だったりが本の中で読んで知ることよりも記憶として残り、より本質を理解しやすいと思っているから、本当にとても良い経験ができたと思う。

・お点前を見て、お菓子を食べて談笑するというお茶会の行為は、時間を忘れて楽しむ、という言葉がぴったりだなと感じました。息を吸うのもためらうぐらいの静かな時間と、お話しをする時間のメリハリが心地よかったです。現代社会にはこういう‘静’を楽しむ時間が必要だなとしみじみ感じました。

・茶道部でやってる練習より格式の高いお点前で、それを見つけながら見るのも楽しかったし、どういう意味でその動作があるのかをもっと知りたいと思った。また、私がデザインしたお菓子も作っていただいて、とても嬉しかった。家に持って帰ってお抹茶とともにおいしくいただきました! すばらしいものでした。


【この授業にご協力頂きました方々】
MIHO MUSEUM、滋賀県立陶芸の森、滋賀次世代文化芸術センター、京菓子司末富、すはま屋、武者小路千家茶道家、陶芸家  の皆さま

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