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[PTA]芸術鑑賞

2024/1/17

 芸術の秋の幕開けに相応しい9月7日にびわ湖ホールにて、世界的に活躍されているジャズピアニスト山中千尋さんとベースの畠山令さん、ドラムスの橋本現輝さんによるトリオをお迎えして芸術鑑賞会が行われました。全校生徒、教員、保護者154名が参加しました。

 本校卒業生である有田淳さんが司会をつとめてくださり、かつてはラグビー班に所属し、芸術とは無縁の生活を送っていた自分が、まさかびわ湖ホールに勤務することは想像していなかったとご自身の経験を振り返られました。続けて、目の前のことに一生懸命に打ち込めば自ずと道は拓けてくるとお話しいただき、ジャズ演奏会が開演しました。

 最初の曲目はブラジルの作曲家イリアーヌ・イリアスの「インパルシブ」の演奏でした。情熱的な真っ赤なドレスで登場された山中さんの体全体を使ったパワフルな演奏に会場が引き込まれました。続いては「イパネマの娘」。1960年代に作られたボサノバと呼ばれる音楽をリズムやコードを変えて演奏されました。こういったアレンジを楽しめるのもジャズの特徴の一つだそうです。ジャズならではのインプロヴィゼーション(即興演奏)で、どこかで耳にしたことがあるメロディーが山中さんたちの手を加えることで、また違った魅力を持ち、奏者同士の仕草、アイコンタクト、息遣い、瞬時に生み出される音の調和を楽しめる時間は、とても贅沢に感じました。

 2部の交流演奏は合唱班との「A Whole New World」のセッションで始まりました。音楽に対する情熱や愛を聞いて、楽しみながら臨むことができ、3年生にとっての最後の舞台はアンコールが起こるほどの大成功を収めました。続いて「Take the ‘A’Train」で吹奏楽班とのセッションが行われました。ソロパートが終わると拍手を贈るのがジャズのマナーという話を伺った後、会場全体からソロパート終了ごとにしっかり拍手が贈られ演奏の調和に花を添えていました。その後、2人の有志が参加してサックス演奏や歌唱を披露しました。大きな舞台での、そして世界でも活躍される奏者の方々とのセッションは緊張もあったと思いますが、演奏後の充実した表情が印象的でした。最後は全校生徒が参加して校歌を合唱しました。コロナ禍が明け、みんなで一つの歌を協力して歌える思い出深い機会となったと思います。「この中から将来音楽に携わる人が出てきて欲しい」と、山中さんの言葉で2部が終了しました。

 最後の曲はご自身の出身地である群馬県の民謡『八木節』のジャズアレンジでした。客席も手拍子で参加し、ステージと客席が一つになり、約2時間半に及ぶ演奏会は終了しました。世界中で活躍される山中さんの演奏からは言葉を超えた音楽での経験や人との繋がりの素晴らしさや、故郷を思う気持ちを感じることができ、情報だけでは得られない、世界を肌で感じることの大切さを知る時間にもなりました。

 

 

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