2024/11/18
2024/11/5
2024/12/23
第68回滋賀県人権教育研究大会(守山大会)の全体会が10月26日に守山市民ホールで開かれました。今年は滋賀県水平社が設立されて100周年の節目でもあります。大会の基調報告では、経済格差の拡大や固定化による貧困や虐待、同和問題などの様々な差別やいじめといった、あらゆる人権問題について述べられました。全ての差別はされる側ではなく、する側の問題であるとの認識のもと、私たち一人ひとりが気づき、意識を高め、考えるきっかけとなる取り組みが必要であること。また、そのために県内の様々な分野での反差別、人権問題に取り組んでいる行政、企業、NPOなどの団体と連携し、具体的な取り組みにつなげていくことが大切であると訴えられました。
続いて、青少年赤十字(JRC)発祥の地である守山市での様々な取り組みについて紹介されました。「気づき、考え、実行する」というJRCの態度目標を掲げて、幼稚園から中学校までの教育の現場で子どもたちによる主体的な活動につなげている様子が分かりました。また守山市人権教育講師として活動されている福々亭ポン太さんの落語を交えたお話では、多様な価値観を受け入れる社会を実現するために、答えがひとつではない課題がたくさんあるなかでは大人はよりよい対話やコミュニケーションを投げかけられるようにすべき、とのメッセージが伝えられました。
午後のプログラムでは、児童養護施設長の谷村太さんによる「社会的養護と子育て支援」と題してお話がありました。困りごとがありながら支援につながっていない親子が多くいるという現状についてお話がありました。施設の外で困っている多くの子どもや親たちをできるだけ支援につなげられるように、また子どもたちの居場所を作るため、様々な取り組みがされています。6市1町連絡会議、また施設の創立記念祭などの場が支援団体や支援者がつながる機会となっています。
特別講演として、大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子さんによるお話がありました。設立に至るまで20年かかった大空小学校が、今や全ての子どもたちが安心して学べる安全基地のような場所となっていること、地域の子どもたちを地域の大人たちが見守り育てる学校となっていることがエピソードを交えて紹介されました。教育や学校が最優先にすべきことは、全ての子どものありのままを受け入れて、安心して学びあえるようにすること、そういう環境が整えば子どもたちは自発的に学んでいくものである、とお話をされました。そして大人は自分の子どもの保護者としてではなく全ての子どものサポーターになってください、と訴えかけられました。木村先生の言葉だけでなく、紹介されていた当事者である子どもや大人たちの言葉にもはっとさせられました。
この全体会を通して、真に多様性の認められる社会にするために私たちがどう行動していくべきか、気づきを得られたように思います。