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[PTA]芸術鑑賞報告

2024/11/29

 まだ暑さが残る10月17日、大津市民会館で劇団壱劇屋さんをお招きして芸術鑑賞会が実施されました。午前の部は3年生と保護者101名、午後の部は1年生と2年生が鑑賞しました。

 劇団壱劇屋さんは2008年に活動を開始され、東京・大阪でそれぞれ違った特色の作品を上演している劇団です。今回の演目「トモダチガーデン」を上演する大阪の壱劇屋さんは、パントマイムを用いた作風を特徴とされています。

 「トモダチガーデン」の舞台は、ある女スワギィの家のお庭です。そこはスワギィと、彼女を決して裏切らない、決して傷つけないイマジナリーフレンド(=空想の友人)だけの特別な空間です。イマジナリーフレンドたちに囲まれてスワギィが幸せに暮らしていたある日、お隣さんがやって来て「あなたのお庭に実在のおともだちが入ってったのを見たよ」と言いました。この日を境にスワギィの世界に変化が起こり始めます。

 劇中には心に残る言葉や場面がたくさんありました。外の世界を恐れて拒み「自分じゃどうにもできない」と嘆くスワギィに、「そういうときは他人に頼ればいいんだよ」と優しく声を掛けたのは、ほかでもないスワギィ自身でした。また、スワギィの大事なお庭に危険が迫ったときには、いつもは「面倒くさい」が口癖のイマジナリーフレンドのひとりが「いっぱい面倒くさいけどがんばらないといけないときがある。今がんばらないとなくなっちゃう」と何度も自分を鼓舞してお庭を守ろうと力を尽くします。これらの言葉や場面は、私たち大人にはかつての自身の経験を思い出させるようなものでしたが、一方今まさに現在進行形で自分の世界を広げている最中の高校生たちはどのように受け止めたのでしょうか。

 最後の場面で、おばあちゃんになったスワギィがあのお庭に登場します。スワギィが自分と向き合い勇気を出し、外の世界に足を踏み出したことで、イマジナリーフレンドたちは消えたかもしれないと思っていましたが、年齢を重ねた彼らも、かつてと同じようにスワギィを囲んで楽しくおしゃべりをしていました。これは彼女がありのままの自分を受け容れたことを表しているのかもしれません。あるいは、何かほかのメッセージがあるのかもしれません。観客にさまざまに解釈できる余地をゆだね、画面越しではなく本物を生で鑑賞することでしか得られない感動を残して幕は下りました。

 劇場内に明かりが戻り挨拶に出てこられた劇団の皆さんに、生徒代表から謝辞の言葉とともに花束が贈られました。劇団員さんがパントマイムのレクチャーをしてくださることになり、観客みんなで、両手を使って自分の前に壁を作り出す練習をしました。パントマイムは、空間固定を意識して、緊張と緩和を組み合わせて行うそうです。なかなか上手な生徒もいて劇団員さんからほめられると笑い声が上がり、なごやかな雰囲気のうちに芸術鑑賞会は終了しました。

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滋賀県立膳所高等学校