滋賀県立膳所高等学校

2014年03月01日

第62回卒業証書授与式を行いました。

本日(3月1日)、膳所高等学校第62回卒業証書授与式が、本校体育館において挙行されました。

厳粛な雰囲気の中、卒業生435名(普通科396名、理数科39名)に卒業証書が授与されましたる

3年間の思い出を胸に抱き、思い出深い校舎を後にそれぞれの道へと旅立っていきました。

卒業生、保護者の皆様、誠におめでとうございます。

校長式辞

式辞

春の息吹が感じられる今日の佳き日に、平成25年度第62回滋賀県立膳所高等学校卒業証書授与式を挙行することができますことは、この上もない喜びであります。

ご来賓の皆様には、公私ともご多用の中をご臨席いただき、誠にありがとうございます。高壇からではございますが、厚くお礼申し上げます。

また、ご列席いただきました保護者の皆様には、三年間の高校生活を経て、立派に成長されたお子様の姿をご覧になり、感激もまたひとしおと拝察いたします。改めまして心よりご卒業をお祝い申し上げます。

ただいま卒業証書を手にされた普通科396名、理数科39名の皆さん、卒業おめでとうございます。

皆さんを支えてくださった、ご家族をはじめ、先輩、同級生、後輩、そして先生方への感謝の気持ちを決して忘れないでください。

 

卒業に際して、卒業後も皆さんに、期待したいことを三つ伝えたいと思います。

 

まず一つ目は、未知のことに挑戦する心を持ち続けて欲しいということです。

これまでの勉強では、「与えられた問いに答える」ことが試されてきたと思います。そして、その答えは、ほとんどの場合、一つに確定されているものでした。このような勉強は、基礎固めという点では、大切なことです。しかし、大学での学問で、また将来、社会に出た時に、試されるのは「答えがいくつもあって確定していない問いの答えを考えること」あるいは、「今、見えている出来事の原因を考えること」であります。皆さんは、すでに膳所高校独自の科目である「探究」や「探究S」でそのことに取り組みました。また、本校では、文武両道、さらに進めて文武両立を求めており、皆さんは、本校での三年間に学習だけでなく、班活動やその他の活動にも、一生懸命に取り組んできました。その中で、ほとんどの人は、思うような結果や成績が挙げられずに悩んだことでしょう。湖風祭では、3年生として、同じブロックの1、2年生をまとめて、一つのことを成し遂げるという経験もしました。その中では、歯がゆい思い、思い通りに進まない焦り、意見の対立といったことで悩んだことでしょう。思い通りにいかないと悩んでいる状態が、先ほどの「今、見えている出来事」であるとすると、それを乗り越えるために「どうしてそのようなになったのかと考える」ということを無意識にであれ、やってきたことになります。そして、考えた原因への対応の最善策を出し、それを不安な気持ちで実践しました。場合によってはそれを何度も繰り返した人もいるでしょう。しかし、班活動などが一段落した時、湖風祭が無事に終わった時は、どうだったでしょうか。大きな充実感・達成感に浸ったのではないかと思います。皆さんは、そのような経験を通して、高い目標に向かって、挑戦することを学んだことになります。その経験は、何ものにも代え難い非常に貴重で、しかも、これから皆さんが社会に出たときに、必ず大きな力になるものです。皆さんには、これからも目標を高くして、未知のことに挑戦し続けることを期待します。

二つ目は、自分とは違う考えや意見を持つ人たちと積極的に対話してほしいということであります。

コロンビア大学白熱教室で知られているシーナ・アイエンガーさんは、日本がこれから新しい道を拓くにあたって原動力になるものは何かという問いに、若者が「cultural intelligence」つまり「文化的知性」を持つことであると述べています。彼女の言う「文化的知性」とは、世界のほかの地域出身の人を理解する能力であり、これまで慣れ親しんできた文化とは異なる文化において新しい状況を学ぶ思考力や、相手の文化に共感し、適応する行動力であるということです。

ものごと、特に自分を客観的に見ることは、実際に大変難しいことですが、これから皆さんが、出て行く世界には、歴史や文化などの違う多様な人々が生活していますし、自分の意図しない、望まない考え方に出会うことも多くあると思います。皆さんは、考え方の違う人々の言葉をしっかりと聴き、自分の考えに自信を持って堂々と述べることで互いに理解し合う、望まない事実であっても、それを認めて対応できるようになることを期待します。どんな仕事でもチームで取り組む訳ですが、将来、皆さんがリーダーとなって、他の人を引っ張っていく立場になったとき、他を受け入れるとともに、他を信頼し、思いやる心が、チームの力を最大限に発揮するために欠くことのできないものになります。知らないことや自分と違うことに興味を持ち、幅広く吸収する積極性と強い行動力を持つことを期待します。

最後、三つ目は、良き市民になって欲しいということであります。いつの時代でも、社会には多くの問題があります。現在、世界規模では、地球温暖化、人口爆発とそれに関連するエネルギーや食料の供給の問題、テロなどの紛争といった問題があります。国内では、原子力発電の問題、高齢化社会への対応や外国との関係などがあります。私たちは、それに対して、匿名での無責任な批判や責任回避をする、所謂「大衆」としてではなく、これらの問題が作られてきた社会のシステムによって、現在の生活が形成されてきたということを受け止めて、それらの問題をどうすれば軽減、解決できるのか、今後、このような問題がおきないようにするために、自分にはどのようなことができるか考えるようにしなければなりません。つまり、自らの言動に責任をもって社会に参画していける「良き市民」になることを期待します。

1,2年生は、先日、JT生命誌研究館館長で分子生物学が専門の中村桂子さんの講演を聴きました。中村さんは、講演の中で、『想像力』の大切さに触れられ、「137億年前に無から誕生した壮大な宇宙に思いをはせること、そしてその中に存在する自分自身を考えること、あるいは、ミクロな細胞内のDNAの働きを理解することも想像力なしでは出来ない。科学に限らず、知の世界全体、そして、日常生活でも、世界中で起きている戦争を思い、飢えている子どもたちを思う気持ちも「想像力」があるから湧いてくる。想像力こそ人間らしさの象徴であり、それを思いきり生かして暮らす社会を作ることが人間らしい生き方である。しかし、近代社会は近視眼的になり、見えるものの豊かさを大事にしすぎたために、見えないもの、遠いものに思いを馳せる想像力なしで暮らす方向に来ているのではないか」と言われました。

私が卒業生の皆さんに期待する「挑戦し続けること」、「他の意見を尊重すること」、「自らの言動に責任をもつ良き市民になること」の元になるものは、人間ならではの「imagination」、「想像力」ではないでしょうか。若い皆さんは、これからいろいろなものを吸収して「想像力」を最大限に高めていってほしいと思います。

皆さんは膳所高校で、素晴らしい仲間や先生と出会いました。そうした人達との間に育んだ友情や信頼・自信や誇りは、いつまでも皆さんの心の中に生き続け、人生を支え続けてくれることでしょう。

遵義誠実な心で、真理と正義を追求し、人類の未来に貢献しよう

力行自主・自律を尊び、心身を鍛え、高い理想に向かおう

を校訓とする膳所高等学校は皆さんにとって母校、つまり心のふるさとです。卒業後に行く先々で母校のことが話題になることもあるでしょう。皆さんの努力や幸福は母校の喜びに通じ、怠惰や不幸は母校の悲しみとなります。母校への熱い思いを持ち続け、折に触れ学校を訪れてください。私たち教職員も在校生と共に膳所高等学校の充実・発展のため努力する覚悟です。

最後になりましたが、保護者の皆様には、今日まで本校教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜り、誠にありがとうございました。

卒業生の皆さんが、健康に充分気をつけられ、日本だけでなく地球規模で大いに活躍されるように願って、卒業にあたっての式辞といたします。

 

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