2026/2/2
第69回滋賀県人権教育研究大会(高島大会)の全体会が2025年11月15日に高島市民会館で開かれ、本校からは保護者15名が参加しました。
本年は現地大会のテーマに「心と心をつむぎあい みんなでつくる みんなの幸せ〜一人ひとりが良知を磨き 自分事として知り 行動する〜」が掲げられ、多様な報告が行われました。
2025年、日本は戦後80年にあたる年です。しかし世界では、今この時もなお、人権侵害をもたらす戦争が続いています。そのような中、滋賀県では、本年4月1日「滋賀県子ども基本条例」が施行されました。子どもたちを取りまく環境は、様々な偏見や差別が、ネット社会を通じた無責任で過激な投稿などにより蔓延している状況にあります。このような問題の解決に向けて、人権教育・人権啓発の深まりと広がりが求められます。
特別報告では、近江聖人としてたたえられる陽明学者・中江藤樹生誕の地である高島市の市立青柳小学校校長 越智弘子さんより、中江藤樹の教えを取り入れた人権教育について報告がありました。
高島藤樹会で作られた「藤樹かるた」を用いて中江藤樹の教え「致良知」を読み解きながら、人権問題とはすなわち「誰もが生まれながらに持っている幸せに生きる権利」という答えをもって児童と向き合い、学習しているのだそうです。1年生から6年生まで、考え方が大きく違うところもありますが、丁寧に聴き取り合い、異なる意見について考えることが、心が大きく成長する小学生の過程では大切だと話されました。学校生活アンケートで全体の90%の児童が自己肯定的であると答えられるほど、藤樹学習は素晴らしい取り組みであるとわかりました。
大会記念講演では、元世田谷区立桜丘中学校校長の西郷孝彦さんによる「子どもたちの『今』の幸せを大切に」と題したお話がありました。
子どもは一人ひとり違うことを大前提に、どうやって子どもの命を守っていくかについて、心理的安全性・ユニバーサルデザイン・インクルーシブ教育を学校経営の中心に据えた桜丘中学校での教育を例に挙げ、解説してくださいました。
「必ずしもできる子だけが良い子ではない、子どもらは学校生活で競争しなければならない環境に置かれているが、人間の価値はそれだけではない。子どもたちにとって過ごしやすい、話し合い、助け合える、各々個性を発揮できる尊重される社会を作り上げていくことが重要である」ということばが印象的でした。
本大会を通じて、部落問題や多様性への理解不足などをめぐる、未だに残る課題に対し、子どもたちを導く立場である多くの大人たちが、まだまだ考え方の転換や学習の経過段階であることを自覚し、大人たちも引き続き学び、子どもたちの前で誤った選択をすることがないよう心がける必要があることに気づかされました。