2025/11/25
令和7年9月27日、高島市の今津東コミュニティセンターにて滋賀県公立高等学校PTA連合会湖西地区研修会が開催され、湖西地区の高校の他、本校からは教職員2名とPTA役員11名が参加しました。
公立高等学校PTA連合会会長および幹事校(高島高校)のPTA会長と校長先生による開会のあいさつの後、行政書士・ファイナンシャルプランナーであり、住職でもある吉武学氏による「親子で考える進学マネープラン」の講演がありました。
講演では、まず初めに幼稚園から大学卒業までに必要な子どもの教育費の解説がありました。最も安いと言われる全て国公立・自宅通学でも1,000万円以上、全て私立・理系・一人暮らしとなると3,000万円超の人もいるそうです。これから先、塾・予備校代や受験費、入学準備費、生活費などさまざまな負担がある上に、滋賀から東京の私立大学を1校受験するだけで約10万円、入学金や在学中の学費のみでも私立大学の理系では500万円以上、医療系では2,300万円超とのことでした。ただし、奨学金や修学支援金制度の活用で、年間90万円以上の支援を受けられる場合もあるそうです。
続いて、教育資金をどう準備するかについて、家族間の話し合いでは、互いに相手の発言を遮らず意見を共有することが重要と話されました。先ず家族で必要となる金額を試算し、親は出せる金額を仮決めして不足分を明確にします。そのうえで家計の見直しや収入増を図る必要があり、特に生命保険などの過剰契約の見直しが効果的だと指摘されました。他にも、老後資金を残す意識も重要で、親の無理が将来の子どもの負担になる可能性もあるとも述べられました。
さらに、資金形成の方法として、貯金、児童手当、投資、奨学金、教育ローンなどが紹介されました。例えば児童手当の積み立てで大学費用の3~4割を賄えるとのことでした。また、奨学金には民間等の給付型と貸与型のほか、自治体が行っているものや新聞奨学生制度など多様な形があるとのことでした。
講演の最後には、子どもが成人する高校3年生からは金銭トラブルにも注意が必要と警告されました。特にエステの強引な契約や儲け話の副業詐欺、商品の定期購入トラブル、SNSでの出会い系被害などが多く、クレジットのリボ払いも消費者金融と大差ない高利率で危険とのことでした。そして、困った際は消費者ホットライン「188」に相談をとの呼びかけで締めくくられました。
講演後には大津商業高校と石山高校のPTA実践報告がありました。大津商業からはPTAを「大商サポーターズ」と改称し、イベントでの子ども達の後方支援活動の参加が活発化したこと、石山高校からは大阪・関西万博でオーストリア・ハイドン音楽大学との国際交流公演を行ったことなどが報告されました。
今回の研修を通じ、教育費の現実と具体的な準備の必要性を痛感し、「子どものために」という理想のためにも現実的な将来設計の重要さを再認識する機会となりました。