滋賀県立膳所高等学校

2012年03月01日

第60回卒業証書授与式を挙行しました

本日(3月1日)、本校体育館に於いて、平成23年度第60回卒業証書授与式を挙行し、普通科396名、理数科40名、計436名の生徒たちが卒業しました。

式辞

20120301_sotugyousiki_024例年になく、雪の多かった二月も過ぎ、春の息吹が感じられる今日の佳き日に、平成二十三年度第六十回滋賀県立膳所高等学校卒業証書授与式を挙行することができますことは、この上もない喜びであります。
同窓会長の浅田幸作様はじめ、ご来賓の皆様には、公私ともご多用の中をご臨席いただき、誠にありがとうございます。高壇からではございますが、厚くお礼申し上げます。
また、ご列席いただきました保護者の皆様には、三年間の高校生活を経て、立派な大人に成長されたお子様の姿をご覧になり、感激もまたひとしおと拝察いたします。改めまして心よりご卒業をお祝い申し上げます。
ただいま卒業証書を手にされた普通科396名、理数科40名の皆さん、卒業おめでとうございます。
皆さんを支えてくださったご家族をはじめ、先輩、同級生、後輩、そして皆さんと汗や涙をともにしてきた先生方への感謝の気持ちを決して忘れないでください。
卒業に際して、卒業後も皆さんに、期待したいことを3つ伝えたいと思います。
まず一つ目は、挑戦しようとする心を持ち続けて欲しいということであります。
皆さんは、本校での、三年間、学習だけでなく、班活動やその他の活動にも、一生懸命に取り組んできました。その中で、ほとんどの人は、学習が思うようにできない、なかなか成果が出ない、班活動などでも、思うような結果や成績が挙げられないということ経験したと思います。また、湖風祭では、三年生として、同じブロックの一、二年生をまとめて、一つのことを成し遂げるという経験をしました。その中では、歯がゆい思い、思い通りに進まない焦り、意見の対立といったことで悩んだことと思います。しかし、湖風祭が、無事に終わったときの気持ちはどうだったでしょうか。班活動などが一段落した時は、どうだったでしょうか。
大きな充実感に浸ったのではないかと思います。そのような感覚は、高い目標に向かって、辛抱して挑戦し続けたからこそ得られたものです。そして、その経験は、何ものにも代え難い非常に貴重で、しかも、これから皆さんが社会に出たときに、必ず大きな力になるものです。このような経験をした皆さんには、これからも生涯にわたって、学習を含めて、目標を高くして、それに向かって、いろいろなことに挑戦し続けることを期待します。
二つ目は、吸収しようとする心、あるいは、受け入れようとする心を持ち続けて欲しいということであります。
皆さんは、これまで、自分と異なる考え方や意見を持った人と話をしたり、自分の意図したことと違った事実に遭遇したことがあると思います。そんなとき、私たちはともすると、自分と違う考え方や自分の考え方に従ってくれない人を否定したり、そのような事実を無視したりしたくなります。これから皆さんが、出て行く世界には、歴史や文化などの違う、多様な人々が生活していますし、自分の意図しない、あるいは望まない事実に出会うことも多くあると思います。社会では、どんなことでも自分一人で成し遂げることはできません。人と人とのつながりで、進んでいきます。
皆さんは、考え方の違う人々にも自分の考えに自信を持って堂々と述べると同時に、相手の考え方を吸収し、受け入れられるようになること、望まない事実であっても、それを受け入れて、対応できるようになることを期待します。将来、皆さんがリーダーとなって、他の人を引っ張っていく立場になったとき、まず、他を受け入れるとともに、他を信頼し、思いやる心が、チームの力を最大限に発揮するために欠くことのできないものになります。そのような心を維持するために、知らないことに興味を持ち、幅広く吸収する謙虚さと強い行動力を持つことを期待します。
最後、三つ目は、良き市民になって欲しいということであります。
昨年、3月11日に起きた東日本大震災、多くの人が犠牲になられた大津波、それによって発生した原子力発電所の事故は、日本だけでなく世界中に大きな影響を及ぼし、今なお、そして、今後もその影響は続いていきます。この事態に対して、なぜ、大津波の高さを想定できなかったのか、過去の記録にある今回と同じ大津波の記述をどうして見過ごしたのかといった不満、また、原発を推進してきた社会、科学者や電力会社に対する一方的、感情的で大衆的な批判もみられました。しかし、私たちは、匿名での無責任な批判をするのではなく、これまで、そのシステムによって現在の生活ができてきたのであることを受け止めて、この事態の影響をどのようにすれば軽減できるのか、今後、このようなことを防ぐために、自分はどのようなことができるか考えるようにしなければなりません。つまり、自らの言動に責任をもって社会に参画していける「良き市民」になることを期待します。
皆さんは、一昨年六月に、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が、七年間のおよぶ宇宙の旅を終えて、世界で初めて、火星と木星の間の軌道にある「イトカワ」という小惑星の表面の一部を地球に持ち帰ってきたこと、大気圏に突入したときに、衛星の本体が明るく輝いて燃え尽きた印象的で感慨深い映像を記憶していると思います。その一大プロジェクトをマネジメントした川口淳一郎さんは、「通信が途絶えたり、イオンエンジンが寿命を迎えるなど、思いがけない故障や不具合が起きたとき、チームメンバーが、想定に想定を重ね、創意工夫をし続けて切り抜けてきた。そして、幸運にも目的を達成することができた。言わば、「運」をひろったと言える。運をひろえたことは、我々プロジェクトチームの能力の高さを物語るもので、私は、このチームを心から誇りに思っている。しかし、運をひろうことは、凡庸な努力や能力ではできない。運も実力と言われる所以である。」と言っています。「はやぶさ」の成功の中には、私が卒業生の皆さんに期待する「挑戦し続けると」、他の意見を「吸収すること」、自分に「責任をもつこと」のすべてが含まれているのではないかと思います。だから、「運」ひろい、輝かしい結果が出たのだと思うのであります。
皆さんは膳所高校で、素晴らしい仲間と出合って、友情を育んできました。多くの素晴らしい友達や尊敬できる先生方との出会い、そして、そうした多くの人達との間で育んだ友情や信頼・自信や誇りは、十年後、二十年後になっても皆さんの心の中に生き続け、人生を支え続けてくれることでしょう。
『遵義』 誠実な心で、真理と正義を追求し、人類の未来に貢献しよう
『力行』 自主・自律を尊び、心身を鍛え、高い理想に向かおう
を校訓とする膳所高等学校は皆さんにとって母校、つまり心のふるさとです。卒業後に行く先々で母校のことが話題になることもあるでしょう。皆さんの努力や幸運は母校の喜びに通じ、怠惰や不幸は母校の悲しみとなります。母校への熱い思いを持ち続け、折に触れ学校を訪れて支援してください。私たち教職員も在校生と共に母校の充実・発展のため努力する覚悟であります。
最後になりましたが、保護者の皆様には、今日まで本校教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜り、まことにありがとうございました。
卒業生の皆さんが、健康には充分気をつけられ、日本だけでなく地球規模で大いに活躍されんことを祈って、卒業式の式辞といたします。
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