滋賀県立膳所高等学校

2018年03月01日

第66回卒業証書授与式が開催されました

第66回卒業証書授与式 校長式辞

湖面を渡る風にも穏やかな早春の気配を感じる季節になりました。

本日ここに、滋賀県立膳所高等学校第66回卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとって最大の喜びとするところです。ご来賓の皆様方には、ご多用の中ご臨席を賜りましたこと、高壇からではございますが衷心より御礼申し上げます。

また、本日ご列席いただきました保護者の皆様、お子様のご卒業まことにおめでとうございます。お子様が本校に入学されてから今日まで、あらゆる面でお子様を援助し激励してこられ、今日の喜びの日を迎えられましたことを心よりお祝い申し上げますとともに、これまで本校に対しお寄せいただきました、心温まるご協力、ご支援に対しまして、職員を代表し、高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

本校は明治31年4月、滋賀県第二尋常中学校として設立され、以来、120年の歳月が経過いたしました。「文武両道」「自主自律」の校風は創立当初から掲げられ、卒業された方々は4万人におよび、国内外の多様な分野で活躍してこられました。皆さんは、輝かしい歴史と伝統が受け継がれてきた憧れの膳所高校に入学され、はや三年の月日が経ちました。そして今日、この学び舎を旅立とうとしています。この間、皆さんは高校生活に全力で取り組み、自身の向上に懸命に努力され、すばらしい若者に成長されました。本日めでたく新しい人生の門出を迎えようとしている卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。本校教職員を代表し、卒業生の皆さんの今日までの研鑽と努力、そして輝かしい足跡を讃えるとともに、皆さんの卒業に対し、心からお祝いを申し上げます。

さて、明日から皆さんはそれぞれ異なる道を進み、自らの責任で行動していくことになりますが、その門出に際し餞の言葉として私の思いを申し述べます。

第一は、人生の基盤となるものを確実に築いてほしいということであります。

皆さんはこの三年間、日々の授業はもちろん、班活動、湖風祭、修学旅行、探究活動や大学での特別授業など、様々なことに取り組み、多くの学びを得たことと思います。また、良き思い出、素晴らしい仲間や先生方との出会いを得て、大きく成長され、新しい人生の一歩を踏み出すこととなります。高校時代に学んだこと、身につけたことは、皆さんにとって人生の財産であり、人生を歩むうえでの礎ともなるものであります。

一方、今、時代は第四次産業革命ともいわれる技術革新やグローバル化が急速に進展し、人口減少、高齢社会の進展は未来に深刻な影を落としています。そのような不確実な時代において、皆さんが歩み始める人生の道筋は必ずしも平坦なものではありません。そして皆さんに求められるのは、人生を自らの手で切り拓き、困難を乗り越え、大きく羽ばたくための確かな基盤となる力であります。時間をかけて、焦らず粘り強く、自らを高めるための努力を続けてください。太く、大きく、そして逞しい人として成長してくれることを期待しています。

第二は、未知のことに挑戦する熱い心を持ち続けて欲しいということであります。

先日、課題研究発表会が開催され、東京大学 生産技術研究所所長の藤井 輝夫先生に「研究所の挑戦」という演題で基調講演をいただきました。藤井先生は、今我々が直面する社会的課題を科学的に可能な手法で解決し、新しい未来を構築すること。日本だけでなく世界にいる仲間と領域を越えてつながり、新しい価値を創造することの大切さを熱く語られました。

本校は創立当初より今日まで、120年の歴史のなか変貌を遂げ成長してまいりました。そのなかでは久遠の理想を追い求め、今日の伝統ある歴史を築き、全国の先進的・先導的役割を果たす学校として発展を遂げてまいりました。

進化論の提唱者チャールズ・ダ-ウィンは「激動の時代に生き残れるのは、変化に対応できる種である」との言葉を残しています。「伝統は、革新の連続によって築かれる」とも、言います。

皆さんも、未知のものに挑戦する熱い心を大切に、努力を重ねてください。

皆さんには若さがあり、未来があり、可能性があります。その可能性を自分自身で鍛え、確実に大きくしてください。それぞれ進む道は異なりますが、知的探究心溢れる人として活躍してくれることを期待しています。

第三は、人のため、社会のために生きる心を持ち続けてほしいということです。

皆さんが今日の日を迎えられたのは、保護者の皆様はじめ、多くの方々の支えがあったからであります。夢は自分の努力だけで実現することはできません。努力が周りの人々に認められ、自らの思いが受け入れられて、はじめて現実のものとなります。

「以春風接人 以秋霜自粛」この言葉は江戸時代後期の儒学者佐藤一斎の言葉です。春風のように爽やかに温かく他人に接し、自分には秋の霜のように厳しく慎みの心を持つという意味です。本校には優秀で多様な能力や個性を備えた生徒諸君が集い、強い信頼感と連帯の意識のなかで、皆さんは豊かな高校生活を送られました。これから生きる世界は多様性に富む社会であります。異なる価値観や文化を理解し、より多くの人とつながり、互いの絆を大切に、希望に満ちた明るい未来を創り上げてください。皆さんには、約束された長い年月と可能性があります。謙虚な気持ちを忘れず、誠意をもって人に尽くすことこそ、自分が生かされるのだということを忘れないでください。

本校は創立以来、生徒や教職員の研鑽や努力はもとより、同窓会やPTA,地域の方々の多くの温かい励ましとご支援により、今日の膳所高等学校まで成長し、発展することができました。今日から本校は、皆さんの生涯にわたる母校であります。この学び舎で、ともに学び、笑い、ともに努力を重ねた膳所高校生であることに誇りと自信をもって、将来にわたり輝き続けてくれることを期待しています。

それでは卒業生の皆さん。これから始まる新しい人生の中で、先輩から後輩へと受け継がれてきた本校の精神、校訓『「遵義」 誠実な心で、心理と正義を追求し、人類の未来に貢献しよう』『「力行」 自主・自律を尊び、心身を鍛え、高い理想に向かおう』の精神を胸に強く刻み込み、勇気をもって力強く新しい人生を歩んでください。教職員ならびに在校生一同、輝く春の光のなかで新しい未来に飛び立つ皆さんの人生に幸多かれと心よりお祈り申し上げ、第六十六回滋賀県立膳所高等学校卒業証書授与式の式辞といたします。